「...なんだ...一緒に入るのか?
(ちょっと、待て! なんで最上さんが急に乱入して来るんだ? 頼むから早く出てってくれっ)」

「(にーーっこり)そうね。折角だから、ぜひvちょっと待ってて、火止めて来るから♪」

と、キョーコは鼻歌でも歌いそうな雰囲気でパタパタとキッチンへと戻る。

(追い払うつもりで言ったのに...、まさか本気か?)

あの(天然記念物的純情乙女の)最上さんが? 
...内心信じられずとも、念のため蓮は腰に手ぬぐいを巻く。

「(パタパタ)お待たせ〜。それじゃ、久し振りに兄さんのお背中でもお流ししましょう!」

腕まくりまでしてやる気満々で戻って来たセツ、もとい、キョーコ。その視線は、まるで蓮を舐めるように隈無く上下する。

「......セツ」

「なあに?兄さん♪」

「お前に視姦されているような気がするのは、気のせいだろうか...」

「馬鹿な事言わないで! これは健康管理のための観察よ!兄さんのメンドーみるのはアタシの役目なんだからっ」

「.........(それ以外の意図、と言うか情熱があるような気がするのだが...)」

「そんなことより、さっさとこちらに背を向けてよ。あ、バスタブの端に腰掛けてね」

言われた通りにカインがすると、セツが背中流すのに丁度いい高さになる。

「...さてと(絶好の機会!生かさねば!)」


〜数分後〜


コッシ、コッシ、コッシ、ペタペタ。コシコシコッシ、ペタペタ。


「......セツ」

「なあに?兄さん。加減はいかが?」

「いや、背中の擦り具合は丁度いいんだがな。その...もう片方の手はなんだ?」

「なんだって、何よ?」

「お前の右手が擦ってる間、左手がペタペタ背中を這い回ってるような感じがするんだが」

「バカ言わないでよ! 右手で擦って、左手でマッサージよ! 兄さんの筋肉の付き具合に変化が無いか確認してるの!」

「...そうなのか」

「そうなの!(さすが敦賀さん! 背中の筋肉も程よく引き締まってるわー。こっから垣間見える長〜い足も引き締まってるし...。あんまり毛深く無い...っていうか、臑毛の色が濃く無いのかな? 普通男の人ってそういうとこに生えてる毛も頭髪と同じ濃い色だと思っていたけど......)」

じーーっと蓮のおみ足、というか臑毛が生えているであろう部分を凝視するのに夢中になって、いつの間にかキョーコの手の方が疎かに。

「......セツ」

「なあに? 兄さん」

「手が止まっているが......、どこ見てるんだ?」

「兄さんのおみ足〜〜。今日の一騒動で怪我なんかしてないかなーと思って(う〜ん。どうにか生胸筋と生腹筋も間近でじっくり拝めないかしら。さっきも多少は見れたけど)」

「...してるわけないだろう」

「そう?んじゃ、ちょっとこっち向いて。確認ついでに洗ったげるからv」

「いや、別に...(そこまでしてくれなくてもって言うか、なぜか身の危険を感じる)」

「遠慮しないの! アタシと兄さんの仲じゃない♪ 今更兄さんの裸なんか珍しくも何ともないんだから(いえっ、ひっじょーーに希少価値ですけど!)恥ずかしがることなんかないわよ?」

「.........(『セツ』が憑いてるせいか? 普段の最上さんからは想像出来ないくらい随分と積極的だな...)」


**


「兄さんv ついでだからフットマッサージもしてあげるv(ついでに、臑毛の色もじっくり確認〜)」

「......遠慮する」







なんて感じに蓮が内心狼狽えるくらいに、興味津々のキョーコだったりしてv

拍手掲載日[2010年 8月 3日]


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